NBA殿堂入りとは?
その歴史と選考基準、そして注目の候補者たちNBA
公開日:2023-05-15
NBA殿堂入りとは?
バスケットボールの栄誉の殿堂
NBA殿堂入りとは、バスケットボール界で最高の栄誉とされる、バスケットボール殿堂(Naismith Memorial Basketball Hall of Fame)に選ばれることを指します。バスケットボール殿堂は、1959年にアメリカ・マサチューセッツ州に設立された博物館で、バスケットボールの発明者であるジェームズ・ナイスミス博士にちなんで名付けられました。バスケットボール殿堂には、世界中のバスケットボール界で顕著な業績を残した選手やコーチ、審判、貢献者などが収められています。現在、バスケットボール殿堂には約400人のメンバーがいます。
NBA殿堂入り選手の特徴と条件
NBA殿堂入り選手とは、NBAでプレイした経験がある選手のうち、バスケットボール殿堂に選ばれた選手を指します。NBAでプレイしただけでは殿堂入りできるわけではありません。NBAで優秀な成績を収めたことはもちろんですが、他のリーグや国際大会での活躍や影響力も評価されます。また、NBAで引退してから最低4年間経過しないと、殿堂入り候補者になることができません。つまり、NBA殿堂入り選手とは、NBAだけでなくバスケットボール界全体で傑出した選手であることを証明した選手です。
NBA殿堂入りの歴史
最初の殿堂入り選手たち
バスケットボール殿堂は、1959年に設立されましたが、最初の殿堂入り選手たちは1960年に発表されました。その中には、ジェームズ・ナイスミス博士や、初代NBAコミッショナーのモーリス・ポドロフなどが含まれていました。最初のNBA殿堂入り選手は、ジョージ・マイカンでした。マイカンは、1940年代から1950年代にかけて、ミネアポリス・レイカーズで活躍し、5回のNBAチャンピオンに輝きました。マイカンは、センターとしてのプレイやルールに多大な影響を与えたことから、「Mr.バスケットボール」と呼ばれました。
最多殿堂入り選手を輩出したチームと国
NBA殿堂入り選手を輩出したチームとしては、ボストン・セルティックスが最も多く、26人の選手が殿堂入りしています。セルティックスは、1950年代から1980年代にかけて、ビル・ラッセルやボブ・クージー、ラリー・バードなどの名選手を擁し、17回のNBAチャンピオンになりました。セルティックスに次いで多いのは、ロサンゼルス・レイカーズで、25人の選手が殿堂入りしています。レイカーズは、ジョージ・マイカンやジェリー・ウェスト、マジック・ジョンソンやコービー・ブライアントなどのスター選手を育て、16回のNBAチャンピオンになりました。
NBA殿堂入り選手を輩出した国としては、アメリカが最も多く、約300人の選手が殿堂入りしています。アメリカは、バスケットボール発祥の地であり、NBAの主要な市場でもあります。アメリカに次いで多いのは、セルビアで、8人の選手が殿堂入りしています。セルビアは、旧ユーゴスラビア時代からバスケットボールが盛んな国であり、ペジャ・ストヤコビッチやブラデ・ディバッツなどの名選手を輩出しました。
殿堂入り選手になれなかった名選手たち
NBA殿堂入り選手というのは、ごく一部のエリートだけがなれるものです。そのため、NBAで素晴らしいキャリアを築いたとしても、殿堂入りできない場合もあります。例えば、クリス・ウェバーは、1990年代から2000年代にかけて、ゴールデンステート・ウォリアーズやサクラメント・キングスで活躍しました。ウェバーは、5回のオールスターに選ばれたほか、ルーキー・オブ・ザ・イヤーやオールNBAチームにも選ばれました。しかし、ウェバーは、NBAチャンピオンになることができなかったことや、大学時代の不祥事が影響して、殿堂入りには至りませんでした。他にも、ベン・ウォレスやショーン・ケンプ、ティム・ハーダウェイなどの名選手も、殿堂入りには一歩及ばなかったと言われています。
NBA殿堂入りの選考基準とプロセス
殿堂入り候補者のノミネート方法
バスケットボール殿堂には、様々なカテゴリーがありますが、NBA殿堂入り候補者は、主に北米男子選手カテゴリーに属します。このカテゴリーにノミネートされるには、以下の条件を満たす必要があります。
- • NBAで引退してから最低4年間経過していること
- • NBAで最低3シーズンプレイしていること
- • NBAで優秀な成績や賞を受賞していること
- • 他のリーグや国際大会での活躍や貢献があること
ノミネートされる候補者は、バスケットボール殿堂のメンバーや委員会、メディアなどから推薦されます。また、一般人もオンラインで候補者を推薦することができます。
殿堂入り候補者の審査方法
ノミネートされた候補者は、バスケットボール殿堂の委員会によって審査されます。委員会は、各カテゴリーごとに異なりますが、一般的には、バスケットボール界の専門家や歴史家などから構成されます。委員会は、候補者の業績や影響力などを総合的に評価し、最終的に投票を行います。投票では、候補者は18人以上の委員から賛成票を得る必要があります。賛成票が足りない場合は、殿堂入りできません。
殿堂入り候補者の発表と授賞式
殿堂入り候補者の発表は、毎年2回行われます。最初は、NBAオールスターウィークエンドの前に、ファイナリストと呼ばれる最終候補者が発表されます。ファイナリストは、通常10人から15人程度です。次に、NBAプレイオフの間に、正式な殿堂入り選手が発表されます。殿堂入り選手は、通常5人から10人程度です。殿堂入り選手は、その年の9月か10月に行われる授賞式で表彰されます。授賞式では、殿堂入り選手は自分の印象的なキャリアや思い出を振り返ります。また、殿堂入り選手は、自分を紹介する人物を選ぶことができます。この人物は、殿堂入り選手の恩師や友人、同僚などで、殿堂入り選手のエピソードや逸話を語ります。授賞式は、バスケットボールファンにとって感動的で興味深いイベントです。
NBA殿堂入りの注目の候補者たち
2021年の殿堂入り候補者
2021年の殿堂入り候補者は、以下の9人です。
- • コービー・ブライアント:ロサンゼルス・レイカーズで20年間プレイし、5回のNBAチャンピオンになった伝説的なシューティングガード。2008年のMVPや18回のオールスターにも選ばれた。2020年に tragic helicopter crash で亡くなった。
- • ティム・ダンカン:サンアントニオ・スパーズで19年間プレイし、5回のNBAチャンピオンになった偉大なパワーフォワード。2回のMVPや15回のオールスターにも選ばれた。
- • ケビン・ガーネット:ミネソタ・ティンバーウルブズやボストン・セルティックスなどで21年間プレイし、1回のNBAチャンピオンになった優れたディフェンダーとリーダー。2004年のMVPや15回のオールスターにも選ばれた。
- • キム・マルキー:WNBAのヒューストン・コメッツで4回のWNBAチャンピオンになった優秀なポイントガード。WNBAオールスターゲームMVPやWNBAファーストチームにも選ばれた。
- • タミカ・キャッチングス:WNBAのインディアナ・フィーバーで15年間プレイし、1回のWNBAチャンピオンになった素晴らしいオールラウンドプレイヤー。2011年のMVPや12回のオールスターにも選ばれた。
- • ルディ・トマヨビッチ:NBAのサンディエゴ・ロケッツやヒューストン・ロケッツで11年間プレイした後、ヒューストン・ロケッツやサクラメント・キングスでコーチとして活躍した人物。2回のNBAチャンピオンコーチになった。
- • エディ・サットン:カレッジバスケットボール界で40年以上にわたって指導した名コーチ。4つの異なる大学でNCAAトーナメントに出場した唯一のコーチである。
- • バーバラ・スティーブンス:カレッジバスケットボール界で40年以上にわたって指導した名コーチ。5つの異なる大学で1000勝以上を挙げた唯一のコーチである。
- • パトリック・バウマン:国際バスケットボール連盟(FIBA)の事務局長として、バスケットボールの発展や普及に貢献した人物。2018年に急逝した。
これらの候補者は、すでに殿堂入りが決定しており、2021年9月に授賞式が行われる予定です。
2022年以降の殿堂入り有力候補者
2022年以降に殿堂入りの可能性が高い候補者は、以下のような人物です。
- • ディルク・ノビツキー:ダラス・マーベリックスで21年間プレイし、1回のNBAチャンピオンになったドイツ出身のレジェンド。2007年のMVPや14回のオールスターにも選ばれた。NBA史上6位の得点記録を持つ。
- • ドウェイン・ウェイド:マイアミ・ヒートやシカゴ・ブルズなどで16年間プレイし、3回のNBAチャンピオンになったフラッシュと呼ばれたシューティングガード。2006年のファイナルMVPや13回のオールスターにも選ばれた。
- • クリス・ボッシュ:トロント・ラプターズやマイアミ・ヒートで13年間プレイし、2回のNBAチャンピオンになった優秀なパワーフォワード。11回のオールスターにも選ばれた。血栓症の発症により引退した。
- • ポール・ピアース:ボストン・セルティックスやブルックリン・ネッツなどで19年間プレイし、1回のNBAチャンピオンになった名シューター。2008年のファイナルMVPや10回のオールスターにも選ばれた。
- • マヌ・ジノビリ:サンアントニオ・スパーズで16年間プレイし、4回のNBAチャンピオンになったアルゼンチン出身のスーパースター。2回のオールNBAチームや2回のオールスターにも選ばれた。国際大会でも活躍した。
これらの候補者は、2022年以降に殿堂入り候補者として発表される可能性が高いです。
殿堂入りを目指す現役選手たち
現在NBAでプレイしている選手の中には、将来的に殿堂入りする可能性が高い選手もいます。例えば、以下のような選手です。
- • レブロン・ジェームズ:ロサンゼルス・レイカーズでプレイするキングと呼ばれるスーパースター。4回のNBAチャンピオンと4回のMVPに加えて、17回のオールスターにも選ばれている。NBA史上3位の得点記録を持つ。
- • ステフィン・カリー:ゴールデンステート・ウォリアーズでプレイするシェフと呼ばれるシューター。3回のNBAチャンピオンと2回のMVPに加えて、7回のオールスターにも選ばれている。NBA史上最多の3ポイントシュートの記録を持つ。
- • ケビン・デュラント:ブルックリン・ネッツでプレイするKDと呼ばれるスコアラー。2回のNBAチャンピオンと2回のファイナルMVPに加えて、11回のオールスターにも選ばれている。NBA史上7位の得点記録を持つ。
- • カワイ・レナード:ロサンゼルス・クリッパーズでプレイするザ・クローと呼ばれるオールラウンドプレイヤー。2回のNBAチャンピオンと2回のファイナルMVPに加えて、5回のオールスターにも選ばれている。2回のディフェンシブプレイヤーオブザイヤーにも選ばれた。
- • ジェームズ・ハーデン:ブルックリン・ネッツでプレイするザ・ビアードと呼ばれるスコアラー。1回のMVPと9回のオールスターに選ばれている。3回の得点王にも輝いた。
これらの選手は、現在もNBAで活躍しており、殿堂入りに近づいています。
よくある質問
この記事に関連する記事
身長は関係ない!低身長のNBA選手たちの驚異的な活躍
NBAは世界最高峰のバスケットボールリーグですが、その中には身長が低い選手たちもいます。彼らはどのようにしてNBAで活躍することができたのでしょうか?
2023-05-15
NBA殿堂入りとは?その歴史と選考基準、そして注目の候補者たち
NBA殿堂入りとは、バスケットボール界で最高の栄誉とされる、バスケットボール殿堂(Naismith Memorial Basketball Hall of Fame)に選ばれることを指します。
2023-05-15
NBAの永久欠番とは?その歴史と意義、現在と未来
NBAの永久欠番とは、そのチームで特に功績のあった選手やコーチの背番号を、二度と他の選手が着用できないようにする制度です。
2023-05-15
NBAの平均年俸はいくら?選手たちの給料事情を徹底分析!
NBAの選手たちは、世界中のスポーツ選手の中でも最も高い年俸を得ています。では、NBAの平均年俸はいくらなのでしょうか?
2023-05-15
NBAのサラリーキャップとは? 仕組みや種類、例外規定などを徹底解説
NBAのサラリーキャップとは、チームが選手に支払うことができる年俸の上限額のことです。
2023-05-15
NBAの公式ボールの歴史と秘密 ボールサイズなど徹底解説
NBAで使われるボールは、どんなものなのでしょうか。NBAの公式ボールは、レザー製で、オレンジ色に黒い線が入ったものです。
2023-05-15
NBAのバイアウトについて。仕組みとメリットやデメリットを解説
バイアウトとは、チームと選手が契約を解消する際に、選手が残りの契約金の一部を放棄することで合意することです。
2023-05-15
NBAの契約ルールを徹底解説!選手やチームが知っておくべきポイントとは?
選手たちは、高い技術や才能だけでなく、複雑で独特な契約ルールにも対応しなければなりません。
2023-05-15