NBAの平均年俸はいくら?
選手たちの給料事情を徹底分析!NBA
公開日:2023-05-15
NBAとは何か?
NBAとは、National Basketball Association(全米バスケットボール協会)の略称で、世界最高峰のプロバスケットボールリーグです。NBAには、北米を中心に30チームが所属しており、毎年10月から翌年6月まで約8か月間にわたって熱戦が繰り広げられます。
NBAの歴史と特徴
NBAは1946年に創設されましたが、当時はBAA(Basketball Association of America)という名前でした。1949年にNBL(National Basketball League)と合併してNBAになりました。その後、1976年にABA(American Basketball Association)と合併し、現在の30チーム体制になりました。
NBAは、世界中からトップレベルの選手たちが集まるリーグであり、そのレベルの高さや競争力は他の追随を許しません。また、NBAはエンターテイメント性も高く、華やかなショーやパフォーマンスが試合を盛り上げます。さらに、NBAは社会的な影響力も大きく、人種差別や社会正義などの問題に積極的に関わっています。
NBAのリーグ構成とシーズンの流れ
NBAは、東西に分かれた2つのカンファレンス(地区)に所属する30チームで構成されています。各カンファレンスはさらに3つのディビジョン(地域)に分かれており、各ディビジョンには5チームずつ所属しています。
NBAのシーズンは、レギュラーシーズンとプレイオフに分けられます。レギュラーシーズンでは、各チームが82試合を戦います。その後、各カンファレンスから上位8チームずつがプレイオフでは、各カンファレンスの上位8チームがトーナメント方式で対戦し、カンファレンスの優勝チームが決まります。その後、東西のカンファレンス優勝チームがファイナルで対戦し、NBAのチャンピオンが決定されます。プレイオフの各シリーズは、7試合制で行われ、4勝したチームが勝ち上がります。
NBAの平均年俸はいくらか?
NBAの選手たちは、世界中のスポーツ選手の中でも最も高い年俸を得ています。では、NBAの平均年俸はいくらなのでしょうか?
NBAの年俸ランキングトップ10
2020-21シーズンのNBAの年俸ランキングトップ10は以下の通りです。
順位 | 選手名 | チーム名 | 年俸(ドル) |
---|---|---|---|
1 | ステフィン・カリー | ゴールデンステート・ウォリアーズ | 43,006,362 |
2 | クリス・ポール | フェニックス・サンズ | 41,358,814 |
3 | ラッセル・ウェストブルック | ワシントン・ウィザーズ | 41,358,814 |
4 | ジョン・ウォール | ヒューストン・ロケッツ | 41,254,920 |
5 | ジェームズ・ハーデン | ブルックリン・ネッツ | 41,254,920 |
6 | レブロン・ジェームズ | ロサンゼルス・レイカーズ | 39,219,565 |
7 | ケビン・デュラント | ブルックリン・ネッツ | 39,058,950 |
8 | ポール・ジョージ | ロサンゼルス・クリッパーズ | 35,450,412 |
9 | カワイ・レナード | ロサンゼルス・クリッパーズ | 34,379,100 |
10 | エイドリアン・デビー・デイビス(AD) | ロサンゼルス・レイカーズ | 32,742,000 |
このランキングを見ると、NBAのトップ選手たちは4千万ドル以上の年俸を得ていることがわかります。これは日本円に換算すると約44億円に相当します。この金額は、日本のプロ野球選手の最高年俸(2020年時点で大谷翔平選手の約30億円)を大きく上回っています。
NBAの最低保証年俸とルーキースケール
では、NBAの平均年俸はどれくらいなのでしょうか?2020-21シーズンのNBAの平均年俸は約800万ドルです。これは日本円に換算すると約8億8000万円に相当します。これも日本のプロ野球選手の平均年俸(2020年時点で約4000万円)と比べると桁違いに高いです。
しかし、NBAの選手たちは全員がこの高い年俸を得ているわけではありません。NBAには最低保証年俸という制度があり、選手の経験年数に応じて最低限支払われる年俸が決まっています。例えば、2020-21シーズンでは、経験年数が0年の選手は最低でも89万ドル(約9800万円)、経験年数が10年以上の選手は最低でも25万ドル(約2億7500万円)の年俸を得ることができます。
また、NBAにはルーキースケールという制度もあり、ドラフトで指名された選手は、指名順位に応じて決められた金額の契約をすることになります。例えば、2020年のドラフトでは、1位指名のアンソニー・エドワーズ選手は初年度で約1000万ドル(約11億円)、30位指名のデズモンド・ベイン選手は初年度で約180万ドル(約2億円)の契約をしました。
NBAの年俸はどのように決まるか?
NBAの年俸は、選手とチームとの間で交渉される契約によって決まります。しかし、契約には様々な形態や制限があります。ここでは、代表的な契約形態と制限について説明します。
NBAの契約形態と制限
NBAの契約には、以下のような種類があります。
- • ルーキースケール契約:ドラフトで指名された選手がする契約で、指名順位に応じて金額や期間が決まっています。通常は4年間で、3年目と4年目はチーム側がオプションを行使するかどうかで更新されます。
- • バード権契約:自由契約となった選手が、自分の所属していたチームと再契約する場合に使える権利です。バード権を持つ選手は、サラリーキャップを超えても契約することができます。バード権を得るには、一定の条件を満たす必要があります。
- • 早期鳥権契約:バード権と似ていますが、条件が緩和されています。早期鳥権を持つ選手は、サラリーキャップを超えても契約することができますが、金額や期間に制限があります。
- • 非バード権契約:自由契約となった選手が、自分の所属していたチームと再契約する場合に使える権利です。非バード権を持つ選手は、サラリーキャップ内でしか契約することができません。
- • ミッドレベル・エクセプション:サラリーキャップを超えているチームが使える例外規定です。一定の金額以下であれば、サラリーキャップを超えてサラリーキャップを超えて選手と契約することができます。ミッドレベル・エクセプションの金額は、チームの状況によって異なりますが、2020-21シーズンでは、約950万ドルから約600万ドルの範囲です。
NBAのサラリーキャップとラグジュアリータックス
サラリーキャップとは、NBAが定めたチームの年俸総額の上限額のことです。サラリーキャップは、毎年NBAの収益に応じて変動します。2020-21シーズンでは、1チームあたり約1億1900万ドルです。サラリーキャップは、チームのバランスや競争力を保つために設けられています。
ラグジュアリータックスとは、サラリーキャップを超えた分に対してチームが支払う罰金のことです。ラグジュアリータックスは、サラリーキャップよりも高い額で設定されており、2020-21シーズンでは約1億3200万ドルです。ラグジュアリータックスは、チームの支出を抑えるために設けられています。
NBAの年俸は他のスポーツと比べてどうか?
NBAの年俸は他のスポーツと比べても非常に高いです。ここでは、MLB(メジャーリーグベースボール)やNFL(ナショナルフットボールリーグ)との比較や、日本のプロバスケットボールリーグとの比較をしてみましょう。
MLBやNFLとの比較
MLBやNFLも、世界的に人気の高いプロスポーツリーグです。しかし、NBAと比べると、平均年俸や最高年俸はかなり低いです。以下に、2020年時点でのMLBやNFLの平均年俸や最高年俸を示します。
リーグ | 平均年俸(ドル) | 最高年俸(ドル) |
---|---|---|
NBA | 約800万 | 約4300万 |
MLB | 約430万 | 約3600万 |
NFL | 約260万 | 約4500万 |
この表からわかるように、NBAはMLBやNFLよりも平均年俸が約2倍以上高く、最高年俸もほぼ同等かそれ以上です。ただし、NFLの最高年俸はカンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ選手が2020年に10年間で5億300万ドル(約580億円)という史上最高額の契約を結んだことで大幅に上昇しました。この契約はNBAでも類を見ないものであり、例外的なケースと言えます。
NBAの年俸がMLBやNFLよりも高い理由はいくつかありますが、主なものは以下の通りです。
- • NBAは選手数が少ない:NBAは1チームあたり15人以下の選手しか登録できませんが、MLBは40人以下、NFLは53人、MLBは26人の選手を試合に出場させることができます。つまり、NBAは他のリーグよりも選手に対する予算の割合が高くなります。
- • NBAは収益が高い:NBAは世界中で人気が高く、テレビ放映権料や広告収入などで多くの収益を得ています。特に中国市場ではNBAが圧倒的な支持を受けており、その影響力は計り知れません。NBAの収益は、MLBやNFLよりも高いと言われています。
- • NBAは選手の権利を守っている:NBAは選手会との交渉において、選手の権利や利益を尊重しています。例えば、サラリーキャップやラグジュアリータックスは、選手会との合意に基づいて設定されており、選手の年俸に影響する要素です。また、バード権やミッドレベル・エクセプションなどの例外規定も、選手がより高い年俸を得ることを可能にしています。
日本のプロバスケットボールリーグとの比較
日本にもプロバスケットボールリーグがあります。それがB.LEAGUE(Bリーグ)です。Bリーグは2016年に発足した新しいリーグで、現在は1部から3部までの3つのカテゴリーに分かれています。1部には20チームが所属しており、最高峰のカテゴリーです。
では、Bリーグの年俸はどれくらいなのでしょうか?残念ながら、Bリーグの年俸は公開されていません。しかし、一部の報道や推測によると、Bリーグの平均年俸は約1000万円程度だと言われています。最高年俸は約5000万円程度であるとも言われています。
この数字を見ると、NBAの平均年俸はBリーグの平均年俸の約88倍です。最高年俸でも約8倍です。この差は、日本とアメリカのバスケットボールの人気や収益の差によるものです。
NBAの年俸に関するまとめと今後の展望
以上で、NBAの平均年俸や最高年俸、決まり方や他のスポーツや国との比較について解説しました。NBAの年俸は非常に高く、世界中のスポーツ選手の中でもトップクラスです。しかし、その背景には、NBAが世界的な人気や収益を得ていることや、選手会が強力な交渉力を持っていることなどがあります。
平均年俸が高い理由と課題
NBAの平均年俸が高い理由は、以下のようにまとめることができます。
- • NBAは世界中で人気が高く、テレビ放映権料や広告収入などで多くの収益を得ている
- • NBAは選手数が少なく、選手に対する予算の割合が高い
- • NBAは選手会との交渉において、選手の権利や利益を尊重している
- • NBAはサラリーキャップやラグジュアリータックスなどの制度を設けているが、バード権やミッドレベル・エクセプションなどの例外規定も用意している
しかし、NBAの平均年俸が高いことには、以下のような課題もあります。
- • NBAはコロナ禍や中国市場の不安定さなどで収益が減少する可能性がある
- • NBAはチーム間の競争力のバランスが崩れる可能性がある
- • NBAは選手の健康や安全を守るために、試合数や移動距離などを見直す必要がある
コロナ禍や新興市場の影響
NBAの年俸は今後も高くなると思われますが、コロナ禍や新興市場の影響を無視することはできません。コロナ禍は、NBAにとって大きな打撃となりました。2020年3月にシーズンが中断され、4か月後に無観客で再開されました。その結果、NBAは約15億ドル(約1兆6500億円)の収益を失ったと言われています。また、2020-21シーズンも無観客や制限付き観客で開催されており、収益は回復していません。
新興市場として最も重要なのは中国市場です。中国ではNBAが非常に人気があり、テレビ放映権料や広告収入などで多くの収益を得ています。しかし、2019年10月にヒューストン・ロケッツのゼネラルマネージャーが香港問題に関するツイートをしたことで、中国政府やメディアがNBAを批判し、放送や提携を停止しました。その影響で、NBAは約4億ドル(約440億円)の収益を失ったと言われています。現在は一部の放送や提携が再開されていますが、完全に回復するまでには時間がかかるでしょう。
NBAの年俸に関するまとめと今後の展望
以上で、NBAの平均年俸や最高年俸、決まり方や他のスポーツや国との比較について解説しました。NBAの年俸は非常に高く、世界中のスポーツ選手の中でもトップクラスです。しかし、その背景には、NBAが世界的な人気や収益を得ていることや、選手会が強力な交渉力を持っていることなどがあります。また、コロナ禍や新興市場の影響も無視できません。
NBAの年俸は今後も高くなると思われますが、それには様々なメリットやデメリットがあります。ここでは、NBAの年俸が高くなることに関するまとめと今後の展望を述べます。
高くなることのメリット
NBAの年俸が高くなることには、以下のようなメリットがあります。
- • 選手のモチベーションやパフォーマンスが向上する
- • 選手の生活や家族の安定が保たれる
- • 選手の社会的な影響力や貢献度が高まる
- • チームのファンやスポンサーの獲得や維持が容易になる
- • リーグ全体の人気や収益が増加する
高くなることのデメリット
NBAの年俸が高くなることには、以下のようなデメリットもあります。
- • チーム間の競争力のバランスが崩れる
- • チームの財政や経営が困難になる
- • 選手の健康や安全が危険にさらされる
- • 選手のプレッシャーやストレスが増加する
- • リーグ全体のイメージや評価が低下する
今後の展望
NBAの年俸は今後も高くなる傾向にあると思われますが、その影響を最小限に抑えるためには、以下のような対策が必要です。
- • サラリーキャップやラグジュアリータックスなどの制度を見直す
- • コロナ禍や新興市場に対応するために、試合数や移動距離などを調整する
- • 選手会とオーナーとの協力関係を強化する
- • 選手の健康や安全を守るために、医療やトレーニングなどを充実させる
- • 選手の社会的な責任や役割を教育し、ファンや社会とのコミュニケーションを促進する
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